岩﨑太郎が語る!!花火運営の矜持

立川観光協会会長の岩﨑太郎が立川の花火大会の見どころやおすすめポイント、そして花火大会を運営する上での情熱などを語ります。お相手は花火鑑賞士としてもおなじみ、石井孝子さんです。お二人で花火大会の裏話や内緒話もしちゃいます!

守りたい伝統と挑みたい革新

  • 石井さん(以下石井) 本日はよろしくお願いします。立川の花火大会は何年も前から楽しんでいますが、今回は岩﨑会長に代わって初めての開催で、気合に満ち溢れている感じですね!
  • 岩﨑会長(以下岩﨑) 立川の花火大会はとっても歴史のある大会で、今回61回目を迎えるんですけれども、実行委員長としてその伝統を引き継ぐことについては重責を感じています。今まで見に来てくれたたくさんのお客さんや花火職人さん、スタッフが作り上げてきたものを大切にしつつ新しい時代「令和」となって新しい花火大会の形も提案していきたい、そんな気合がこもっていますね。ところで石井さんは「花火鑑賞士」とのことですけど、花火鑑賞士になるのってやっぱり大変でしたか?
  • 石井 鑑賞士の受験者数には人数制限がありますが合格率は比較的高いと思いますよ。狭き門…、というよりはきちんとレクチャーもありますし、ちゃんと講義を聞いてればわかりますよ。花火への情熱があればなれます!この時期はだんだん花火鑑賞士としての活動が忙しくなってきて、講演や取材のご依頼もたくさんいただいています。花火会社の工房を見たい、なんていうオファーもいただきますが、花火工場は危険もあってなかなか難しいですね。夏が終わればいいかというと、すぐに来年の花火大会の準備に取り掛かってしまいますし。
  • 岩﨑 花火大会の楽しみ方は人それぞれで、大会によっても異なると思いますけど、花火鑑賞士としてはどんな風に花火を楽しむんですか?私は仲間で集まって、芝生の上にシートをひいて、座ってゆっくりワイワイしながら鑑賞するのが好きですね~。
  • 石井 一般の方であれば夏休みだし、日中プールで遊んだり、駅前や商店街でお買い物や食事をして、夕方花火を見るというのがいいと思いますね。でも私たちはマニアだからちょっと違いますね。というのも、お酒を飲みながら花火を観るなんて私たちにしてみたら邪道!1時間2時間前には飲み物食べ物禁止でコンディションを万全にして、職人さんが作ったものを正座で鑑賞させていただく。そんな風にストイックにやってる人もいるんですよ!
  • 岩﨑 ひゃ~、すみませんでした。いままで職人さんに対してずいぶん失礼な観方をしちゃってたかもしれませんね。
  • 石井 もちろん、花火の楽しみ方は人それぞれですし、職人さんも気軽に、純粋に花火を楽しんでほしいと思って作っているわけですから、自由に観るのが正解ですよ。実際に私もシートの上に寝っ転がって花火を観るのが結構好きなんですけど、そうすると花火が降り注いでくるようで、すごくきれいなんですよ。
  • 岩﨑 観覧会場が狭かったり、立ち止まれなかったりするとそれはできないですけど、立川ならできますからね。でも立川の花火大会の自慢は会場だけじゃないですよ。立川の花火大会は日本に数ある花火会社の中でも特に芸術性の高い花火を作れる厳選された29名による日本煙火芸術協会会員の会社にお願いしています。だから打ち上げる花火の品質に関しては自信を持っていますし、芸協玉といわれる10号玉がここまで連発される花火大会はないと思いますね。都内では保安距離等の関係で二尺の花火を上げているところはないから最大サイズの一尺五寸玉も打ちあがりますし。
  • 石井 一尺五寸玉というのは15号とも言って、重さ40キログラムくらいなんです。上空400メートルくらいの高さに打ちあがって開く直径も400メートルくらい。東京タワーより高く打ち上がり、開くと中に東京タワーがスッポリ収まるほど。また先程出てきた「保安距離」というのは花火を打ち上げるのに安全を確保するための立ち入り禁止区域のことですが、これを保てないと大きい花火は打上られないのです。立川以外にも一尺玉や一尺五寸玉を打ち上げる大会はありますが、玉数でいうと都内で一番です。
    よく、打上発数を見てこの大会は何発で、こっちは少ないから大したことないな~、なんていう方もいますが、私に言わせれば打上発数ではないんですよね。花火は、質なんですよ。
  • 岩﨑 大きい花火も迫力があって素晴らしいですけど、小さい花火もいいですよね。花火がニコニコフェイスになっていたり、キャラクターの顔みたいなデザインになってる花火があると癒されます。
  • 石井 ハートの花火とかもありますね。ああいうのは割物という種類の花火で、特に形物と呼ばれています。基本的に平面でイラストを作るわけなんですが、綺麗に正面を向いて打ち上がればいいけど、横に向いちゃうときちんと見えないんです。時々あれ?なんか形がゆがんでる、とか何の形だ?っていうことがありますよね。あれは横に向いて上がっちゃってるんです。
  • 岩﨑 飛んでいく花火の回転までコントロールするのは不可能ですよね。全部の花火を正面にできればいいんですけどね。
  • 石井 実際とても人気がある花火で、どれだけ正面を向くかというのは偶然の確率ですね。ところが面白いのは、これが全部正面を向いちゃうと意外と盛り上がらないものなんです。おかしな形が続いてなかなかきれいに見れない、あ!やっときれいなハート型になった!というのが一番盛り上がるんです。
  • 岩﨑 へぇ~!それじゃあ立川の花火大会でも自分の正面に上がるラッキー花火をぜひその目で楽しんでほしいですね。打ち上げ花火はどこからでも観られるもの、というイメージがありましたが、やはり正面がいいんですね。そうすると花火を観る場所にもこだわりが出てきそうですよね。
  • 石井 立川の花火大会に限ったことではなく、これはすべての花火大会に共通していることですが、有料観覧エリアで観るのが絶対にお勧めです。例えば同時に打ちあがる大きい花火と小さい花火の対比を考えたときに、花火打ち上げポイントに近すぎると距離感がつかみ辛くて大きさの違いを感じづらいんです。逆に遠すぎると迫力がないし。それからワイドスターマインのような横に長い花火も角度によっては美しさが半減してしまいます。すべての花火の演出を余すことなく楽しめる位置というのは有料観覧エリアになるんです。だってそこに向けて計算された演出なんですから!
  • 岩﨑 お、おぉ、なかなかすごい圧ですね…。有料観覧エリアの宣伝までしていただいて、ありがとうございます。ただ、どうしても花火はふらっと来て好きな場所で無料で観られるもの、というイメージがありますからチケットを買ってまで観るぞ、というのは相当なガチ勢、という感じがしますね。チケット代も決して安いものではないですし…。
  • 石井 とある花火大会で地元の局アナさんと一緒に有料席で花火を見たんです。その時も言ってましたそのアナウンサーさん。「え~、有料席高い~」って。打ち上げ終わったころにはね、「なんで今まで有料席で観なかったんだろう!」って言ってましたよ。「チケット代なんて安いくらい!」ってね。それからは毎年有料席ですよ。それに地べたに座るのが難しい方はいす席、大人数で楽しみたいときは団体席とニーズに合わせて形式も選べるし。人混みに自信ない方にも最適ですよ。花火の光、音、振動などがすべて計算しつくされたバランスで楽しめるのは有料席だけなんです。一度有料席を知ったら無料席には戻れませんよ!
  • 岩﨑 確かに、有料観覧エリアをお買い求めいただく方の多くはリピーターの方であるというデータもあります。無料の一番いい席を確保するのもいいですけれど、それだと場所取りも大変ですしね。あと有難いことにご高齢の方やお体に障がいをお持ちの方からもご好評をいただいています。
  • 石井 花火は視覚で楽しむだけのものではないというお話は先程もしましたが、私が感動したのは、ある大会で視覚に障がいをお持ちの方々が、おなかに大きなボールを抱えて、そこに響く花火の轟音を楽しんでいらっしゃったのです。やっぱり安心してそれができるのってスペースが確保されてる有料席ならではだし、花火はどう楽しんでもいいんだなっていうのを実感しましたね。
  • 岩﨑 有料席であればスペースは確保されているので、日中暑い中ずーっと場所取りをする必要がないですから、街でお買い物やお食事をするのもいいですし、昭和記念公園の中ならプールで遊んでいただいてもいいですよね。昼間は市内や公園で遊び、夜は花火をゆっくり楽しむ。そんなテーマパークみたいな街になったらいいなと思っていますね。有難いことに立川の花火大会ではトラブル事例も少なく、ご家族で安心して来られるというのも売りかと思います。
  • 石井 花火大会は地元の企業の協賛で成り立っていますが、花火大会の日に地元のお店を利用することで地域の経済が潤えば、その企業さん達はもっと花火大会に協賛してくれるようになる、そうすると私たちはもっといい花火を楽しむことができる、というどんどんいいサイクルになるんですね。だから観客の立場として有料席の購入でも、募金でも、それが少しずつでも花火大会の運営に協力できればいいなと思います。やはり美しい花火を楽しむ、という利益を享受する側が少しずつでも負担するというのは自然なことだと思いますから。
  • 岩﨑 さすが、花火大会の観客と運営両方の立場が分かっている石井さんならではのコメントですね。これからも立川の花火をぜひ応援していってほしいと思います。
  • 石井 昔からの花火会社さんが担当する花火大会が減ってしまう中、立川の花火大会を担当している会社は、本当に由緒正しい花火会社さんで、日本屈指の美しさを誇る花火を観ることができます。立川の子供たちやお住いの皆様にはこのことをもっともっと自慢に思ってほしいですね。これからもずっと応援していますので、伝統的な日本の花火大会をぜひこれからも後世に伝えていってください。
  • 岩﨑 立川の街は花火大会をはじめ、様々なイベントを行っています。最近ではアニメやコスプレのイベントも増えており、交流人口はどんどん増えています。またこれからは世界的なイベントも控えており、たくさんのお客様を迎える準備を進めています。新時代にさらなる進化を遂げる立川へぜひお越しください。
  • 石井 孝子 (いしい たかこ) 写真右
    花火鑑賞士
    いせはら芸術花火大会 副実行委員長
    ISOGAI花火劇場 実行委員
    バヤ企画 代表
    プーちゃんねる (http://poochannel.com/poo.html)

    岩﨑 太郎 (いわさき たろう) 写真左
    立川まつり国営昭和記念公園花火大会実行委員会 実行委員長
    立川観光協会 会長

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